記録のなかで、ご利用者が何をした、何を言った、そして落ち着いていただいた等の行動の事実しか表現してない記録を読むことがあります。
どんなに重度の方でも、どんな気持ちでそこにいたのか、起こした行動の意味は何なのか、それを見て自分はどんな気持ちになりかかわったのか、生と命が表現されない文章は人として見てないように見えます。
かかわりの中で起こったことを心を使い情緒を持って表現することをエピソード記述(鯨岡峻)といいいます。
物語としての人生(お心主義、宮下智)、エビデンスに対してナラティブな視点、表面で見えていることではなく背景にある辛さや悲しさに心を添う支援(阿部)など様々な表現で言われます。
大切なことは、
支援者は自らのことを知っている、
自らとつながっていること(自らの防衛機能を知っている、純粋性を保てること)であり、
相手の大変な辛さから必要以上に影響を受けない(逆転移)ことでありながらも、
その辛さをあたかも自らのことのように体験できることです。(共感・間主観性)
この"かかわり"を感じられる時、人は自らを認め一歩踏み出す勇気を持ちます。
見ようとしないと見えない視点、
見ていると相互にパワーをもらえる"あり方"
これを私は「支援」と呼びます。
(職員向けメッセージより)