2009年3月アーカイブ

"言葉"の重み

河北新聞と言う宮城県の新聞に重度の脳性まひの大越桂さんが晴れ着を着て車椅子で成人式に参加したという記事が載っていました。

よくある美談として記事を読んでいましたが、ご本人の言葉がとても印象に残りました。

大越さんは筆談で意思疎通ができるようになったのは13歳だそうです。

最初に伝えた言葉は『つめ』『ピンク』『みつこし』。思春期の少女なのに着るのはジャージーばかりおしゃれにあこがれ、そして意思が伝わったとき『自由になったと感じた』そうです。

「言葉は大きい。人の世界は言葉で成り立っている。その世界に入れない人はよそ者と言う感じ」と言っておられ言葉が通じないとき周りの人は挨拶もしなかったが言葉が理解できるとわかると対応が打って変わって丁寧になった。と言います。

私たちも同様のことをしてないでしょうか。言葉にならない言葉を理解していく過程が大切なことです。言葉のない方の内側で起こっていることを言葉にして伝えることは具体的な支援です。

「人は、人を、人にする」「一緒の成長」大越さんの言葉です。

(職員向けメッセージより)

心のケア-揺るがない安心-

私の「心のケア」の理論はカウンセリングをベースとして「抱っこ法」「ジェントルティーチング」「動作法」などの理論を取り入れています。

ジェントルは4つの基本的な感情、安全であること、かかわり合うこと、愛されていること、愛すること、に焦点を当てます。理念であって支援技術です。

最近出された激しい行動障害のある人の事例検討では、便こねや他害をする方へのジェントルな支援で、今ではみんなといられるようになったことを表情の写真と合わせての紹介がありました。涙が出てきました。

安心感は自尊心を生み出します。支援者は「私といると安心です」「私の手は決してあなたに乱暴なことはしません」「私の言葉は決してあなたを侮辱したりしません」「私の目は決してあなたを見下りしたりしません」ということを信頼してもらう必要があります。

「安心・安全」を感じ取ることは支援者といれば安らぎが得られるという深い洞察をもたらします。私が福祉の仕事に従事してたどり着いた大事な視点です。思っていることと実践との一致難しいことですがそれが「仕事」です。

(職員向けメッセージより)

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