その結果、
純粋に外面的なアプローチだけでは、足りないのだとわかりました。
つまり、わたしが言いたいのは、精神的な革命のことなのです・・・
大多数の人が、宗教を実践してない今、私はなんとかして、
宗教に頼らずに、すべての人間を救う方法を、見つけたいのです・・・
幸せの最大の要因である心の平和は、怒りと共存することはできません。
どちらかが生じれば、必ずどちらかが損なわれます。
怒りや恨みや悪意など、誤った思考や感情を、
そのままにしておきながら、幸せを求められるはずがありません。
人は怒れば、幸せの一つの前提条件をなくしたことになるのです・・・
愛と思いやりは、ぜいたく品ではありません。
これがなければ、心の平和も、現実の平和もありえません。
わたしたち人間という種が、
生き続けていく上でなくてはならないものなのです・・・
自分の利益だけにとらわれないで、
もっと広い見方ができるようになったとき、
きっと、その人の内面に強さが、みなぎっているはずです。
平和と喜びが、常に自分のなかにあるはずです。
そうすればどんな障害も乗り越えていけるでしょう・・・
消えることのない幸せと喜びは、すべての思いやりから生まれます。
思いやりがあればこそ良心も生まれます。
良心があれば、他の人を助けたいという気持ちで行動できます。
他のすべての人に優しさを示し、愛情を示し、誠実さを示し、
真実と正義を示すことで、わたしたちは確実に、
自分の幸せを築いていけるのです・・・
私の考えている精神的な革命は、道徳観の革命です。
これによって私たちは、もっとよい人間になれると思うのです。
政治力を与えてくれるのは銃であると、かつて毛沢東は言いました。
たしかに暴力を使えば、一時的な目標は達せられるでしょう。
しかし暴力で得られたものはけっして長続きしません。
平和、正義、自由への人間の愛は、必ず最後には残虐行為や抑圧に勝ちます。
だから私は、熱烈な非暴力主義者なのです・・・
後悔しないで、最後の日を迎えたいと思うなら、
今この瞬間を、他人を思いやることに使うべきでしょう・・・
どうか妬みを捨ててください。
他人を負かしたいと思う気持ちをなくしてください。
その代わりに、他人のためになろうとしてください。
優しさと勇気をもって、自分はきっとそれができると信じて、
どんな人も笑顔で迎えてください。
正直になってください。
わけ隔てをしないように努めてください。
総ての人に、親友のように接してください。
私は一人の人間として、
皆さんと同じく幸せを望み苦しみを望まない人間として、
お願いしているのです。・・・・・・
こういうものになれますように、今も、これからもずっと
そして、困っているすべての人の僕に
ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「幸福論」(角川春樹事務所) 塩原通緒訳 2000.6
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GMが感銘を受け、皆さんにご紹介したい"ことば"です。